【2026年10月】Microsoft CCIとは?既存の電話窓口にAIを追加する公開プレビュー
電話窓口を丸ごと入れ替えずに、AIによる受け答えや応対内容の確認を追加する。そんな使い方を目指す「Microsoft Contact Center Intelligence(CCI)」の公開プレビューが、2026年10月21日に発表されました。
コンタクトセンターとは、電話やチャットで顧客の問い合わせを受ける窓口のことです。CCIは、その既存システムにAI機能を組み合わせる製品です。情報は2026年10月26日確認時点です。
1. CCIは既存の電話窓口へAIを追加する仕組み
Microsoftの説明では、CCIは既存の電話、着信の振り分け、待ち行列などを補う「AIの層」として位置付けられています。Microsoft製以外のコンタクトセンターとも、対応する接続機能やAPIを使って連携します。APIは、システム同士がデータや処理をやり取りする窓口です。
たとえば、今の電話受付の仕組みを残し、まず問い合わせの一部をAIに任せる構成を検討できます。ただし、既存設備なら何でも設定だけでつながるわけではありません。利用中のサービスが対応する接続方式と、必要な開発作業の確認が先に必要です。[1・2]
「公開プレビュー」は正式提供の前段階
10月21日の発表では、オーストリアを除くグローバルな公開プレビューと案内されています。一方、Microsoft Learnには、プレビュー機能は本番利用を想定せず、機能が制限されたり変更されたりする場合があると記載されています。利用地域だけでなく、日本語での応対、既存契約、利用環境ごとの条件を確認してから試す段階です。[1・2]
2. 自動応答と品質確認は役割が違う
問い合わせに答え、必要な場面で人へつなぐ
Customer Assist Agentは、音声やチャットで顧客に対応するAIです。関連するCopilot Studioの新しい会話作成機能では、AIが柔軟に受け答えする部分と、決まった順番で確認する部分を組み合わせられます。
たとえば、営業時間の案内は自然な会話で答え、申請に必要な項目は順番どおりに聞く、といった設計です。人による対応が必要な条件を決め、担当者へ引き継ぐ流れも用意します。問い合わせの内容に合わせて、自由な会話と定型手順を使い分ける仕組みです。[1・3]
AIの会話を評価する基準を設定する
品質確認では、あいさつ、顧客の困りごとの理解、不適切な言葉の有無など、評価したい項目を設定します。評価する会話の条件や割合も決められます。設定資料によると、品質スコアの対象はセルフサービスAIが対応した部分だけです。人へ転送した後の応対は含みません。[4]
10月21日の発表では、終了済みのセルフサービス会話の評価を紹介し、リアルタイム評価は今後提供予定としています。一方、設定資料にはリアルタイム評価の手順も掲載されています。資料間で提供状況の記述が異なるため、試す際は最新の公式案内と利用環境で提供範囲を確認してください。[1・4]
3. 接続方式と費用を先に確認する
Microsoft製以外のシステムと接続するための「universal connector」には、音声通話用とテキストチャット用の方式が用意されています。開発者向け資料では、Microsoft側での初期設定や、接続元を確認する認証の準備が必要です。電話を使う担当者だけでなく、現在の電話サービス会社やシステム管理者と一緒に確認する作業になります。[5]
現在の電話・チャットサービスは、どの方式でCCIと接続できるか。
AIが参照するFAQや顧客情報を、どこまで渡すか。
録音・会話記録の保存先、閲覧者、保存期間をどうするか。
接続できないときに、通常の受付へ戻せるか。
発表では、CCIのAI機能はCopilot Creditsによる利用量ベースの課金とされています。既存のコンタクトセンター事業者によっては、APIアクセス料や音声チャネルの利用ライセンス料が別途かかります。これらはCCIの費用に含まれません。AIの利用費と、既存サービス側の費用を分けて見積もると、比較しやすくなります。[1]
4. 「人へ転送しなかった割合」と「解決した割合」を分ける
CCIの管理画面で使われる「Deflection rate」は、完了した会話のうち、人へエスカレーションしなかった割合です。エスカレーションは、AIから人の担当者へ対応を移すことです。公式資料も、この数値だけでは問題の解決を確認できないと説明しています。[6]
たとえば、AIが回答して通話が終わっても、顧客が困ったままなら解決とは言えません。反対に、複雑な相談をすぐ担当者につないだ結果、早く解決する場合もあります。以下は導入効果を確かめるための記録例です。製品の実績値ではありません。
回答の正確さ:案内した営業時間や手続きが、元のFAQと一致したか。
解決の確認:顧客が解決したと答えたか。回答がなければ「未確認」と残す。
引き継ぎ:担当者につなぐべき相談を、適切なタイミングで転送できたか。
再問い合わせ:同じ内容で、もう一度連絡が来ていないか。
総費用:AI利用料、電話サービス料、設定・確認作業の負担を合わせてどう変わったか。
5. 試験環境で一種類の問い合わせから試す
試験用の窓口では、店舗の営業時間や必要書類など、答えの根拠を確認しやすい問い合わせを一つ選ぶと、誤りを見つけやすくなります。以下は試験の進め方の例です。
正しい回答と、AIに答えさせない範囲を決める。
通常の質問、言い間違い、曖昧な質問、人への転送希望を含むテストを用意する。
AIの回答と元資料を照合し、間違い・引き継ぎ漏れを記録する。
設定を直したら、同じ質問でもう一度確認する。
本人確認や返金、契約変更まで扱う場合は、必要な権限と担当者の確認手順を別に設計します。まずは試験環境で、接続、回答、人への引き継ぎが一通り動くことを確かめるのが出発点です。
6. まとめ
CCIの特徴は、既存の電話窓口を残しながら、AI応答や品質確認を段階的に追加する構成を取れる点です。2026年10月時点では公開プレビューなので、対応条件と未提供機能を確認し、小さな範囲で試すのが現実的です。評価では、処理した件数だけでなく、正しく答えられたか、顧客が解決できたか、人へ適切につなげたかを分けて記録しましょう。
参照URL
いずれもMicrosoftの一次情報です。製品仕様・提供範囲は更新される場合があります。
[4]品質評価の設定と対象範囲
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